新浦安カタヤマ矯正歯科ブログをご覧いただきありがとうございます。
みなさん舌の正しい動かし方をご存じでしょうか。
そもそも舌の動かし方について考えたことがない方が多いと思います。
正しい舌の位置や動かし方でないと、歯並びをはじめとして身体に悪影響を及ぼすことがあります。
このブログを見ていただいている方は、自分は舌癖があるかも?と思いながら読んでいただいている方も多くいらっしゃるかと思います。
そこでまずは、舌癖の有無の簡単なチェック方法をご紹介します。
① 鏡をもちます。
② 唇を開けた状態で、歯は噛んだ状態にします(イーの口)
③ その状態で唾液をのみこんでください。
このとき、歯と歯の隙間から、舌のピンク色がはみ出てきて見えていたり、唇を閉じないと飲み込めない方は舌突出癖がある可能性があります。また、歯に舌が当たっている感触がある方も舌突出癖の疑いがあります。
舌と歯並びの関係性、正しい舌の位置、舌の動かし方、舌のトレーニングについてご紹介します。
舌と歯並びの関係性
お子さまのお顔や歯並びはご両親からの遺伝だけできまるのではなく、お口の周りの筋肉にも影響をうけます。唇の力や舌、指しゃぶりなどの習癖によって咬み合わせは変化します。舌は筋肉でできており、正しい位置にキープできないと舌の筋力はさらに衰え、その結果、体身にさまざまな悪影響をおよぼします。
すべての乳児は舌を前後に動かして授乳します。 そして乳歯が生えて噛むようになると、舌の動かす神経が変化し、舌を上に押し付けて飲み込むようになります。
しかし、舌を前に押して飲む癖が残ってしまう方もいます。
前歯をずっと押し続けるような舌癖があると、前歯は徐々に前に傾いてきます。そのため開咬(奥歯が噛み合っていても、前歯が噛み合わず隙間ができる状態)になる可能性が高いです。開咬になると、舌は常に下の歯の裏側に位置してしまい(低位舌といいます)、舌を前に出さなくては、発音や嚥下が出来なくなってしまいさらに状況が悪化していき、悪循環になってしまいます。さらに、お口で呼吸することになり、口臭や虫歯・歯周病になるリスクが高くなります。 そのためなるべく早期の習癖の除去をした方がいいです。
また、歯列矯正の「後戻り」の原因にもなります。
舌癖が原因で悪くなった歯並びを歯列矯正行っても、歯の移動するスピードが遅かったり、せっかく動かした歯の「後戻り」がみられたりすることがあります。
キレイになった歯並びを舌で押す力が働き続ける限り、歯並びが乱れてしまいます。そのため、矯正治療が終わるまでには正しい舌の動かし方を身に着ける必要があります。
正しい舌の位置、舌の動かし方
上の前歯の真裏にある膨らみを「スポット」といいます。舌先がスポットに当たり、舌全体が上顎に吸い付いている状態が正しい位置であり、「スポットポジション」といいます。スポットポジションとは、お口の中の、舌があるべき位置のことです。飲食や唾液を飲み込む時は舌尖がスポットから動かず、舌全体を上方に押し上げて嚥下します。 舌の筋肉が低下している方は、前歯に舌が当たっていたり、違和感や舌の疲労感がでたりします。
舌のトレーニング
舌癖を治し、舌を本来あるべき位置にキープするためには、「舌の筋トレ」をおすすめします。
ここでは舌の筋トレの一種、「あいうべ体操」をご紹介いたします。
やり方はとても簡単です。「あ」「い」「う」と口を動かし、最後に「べー」と思い切り舌を出しましょう。これを朝昼晩10回ずつ繰り返します。
「あ」「い」「う」の動きは口輪筋を、「べ」は舌筋を鍛えます。
舌を正しい位置にすると疲れる方は舌の筋肉が弱っている可能性があるため、日頃から意識してトレーニングをするようにしてみましょう。
MFT
筋肉トレーニングのみならず、舌の正しい位置や動かし方の指導が必要な方にはMFTを行うことがあります。MFTとはMyo Functional Therapyの略で、「口腔筋機能療法」を意味します。舌や口唇の正しい位置を覚えたり、口腔周囲筋を鍛えて強くしたりします。また、口腔周囲筋のバランスが取れていないと、嚥下(飲み込み)、咀嚼、発音、呼吸などの機能にも悪影響を及ぼすので、正しい嚥下、咀嚼、発音、呼吸の仕方をトレーニングすることもあります。
悪習癖は無意識に行っていることがほとんどですから、まずはそれを意識的にやめることが大切です。