歯科矯正用アンカースクリューについて|浦安市の矯正歯科専門医院・新浦安カタヤマ矯正歯科
2022.02.04

■ アンカースクリューとは

歯科矯正用アンカースクリューはインプラントアンカーやアンカースクリュー、TADなどと呼ばれ、矯正歯科治療の際に補助的に使用される装置です。

アンカースクリューの材料は、身体にアレルギーが起こりにくい生体親和性の良いチタン性でつくられており、チタン合金はプレートや、人工関節、デンタルインプラントとしても使用されています。

アンカースクリューの大きさは直径1.4~2.0mm・長さ6~10mm程度の非常に小さいものです。
形状はネジみたいな形をしており、顎の骨に埋め込み、それを固定源として歯を動かしていきます。

■ アンカースクリューのメリット

1 強固な固定源

小臼歯を抜歯して前歯を下げる場合、お口の後方からゴムやバネなどを使用します。つまり、前歯と奥歯で綱引きをしているの状況になります。前歯も下がりますが、その反作用により臼歯部が前方にずれてきてしまいます。奥歯が前に来てほしくない場合、ナンスのホールディングアーチという装置や、ヘッドギアをもちいて従来は固定源の強化を行っていました。アンカースクリューを用いることによってより強固な固定源を得ることが可能となります。アンカースクリューから前歯を後ろに引っ張ることにより、臼歯は前方に引っ張られる力がかからないので、抜歯したスペースを有効的に計画通りに閉鎖することが可能です。

2 非抜歯治療の可能性が広がります

歯列全体を後方へ動かすことは従来の装置では困難でした。アンカースクリューを用いることにより、全体的に歯列を後方へ移動することが可能になります。しかし、どこまでも後方へ移動できるわけではなく、骨がある範囲になりますので、すべての患者さまが非抜歯で治療ができるというわけではないです。治療方針に関しては矯正専門の歯科医師の診断が必要になります。

また、従来の装置では困難であった歯の圧下(歯を歯槽骨に入れるうように動かす)も可能となります。臼歯を圧下することによって開咬(奥歯で咬んでも前歯で咬めない状況)の改善や、前歯を圧下することによりガミースマイルの改善を行うことが可能です。

3 患者さまの負担を軽減することができる

固定源の強化をするために、患者さまにヘッドギアや上下の顎間でゴムを使用していただく必要がありました。そのご協力の度合いにより、治療結果が左右されていましたが、アンカースクリューを使用することで、患者さまのご協力に頼ることなく、治療効果を向上することができます。

■ アンカースクリューのデメリット

① 歯茎にアンカースクリューを打ち込む必要がある
② アンカースクリューの出ている部位が頬に当たり口内炎になる場合がある
③ アンカースクリューが動揺したり脱離したりする場合がある(約1割)
④ アンカースクリューが歯根に接触するリスクがある
⑤ 別途費用がかかる

注意事項
・アンカースクリューの部位も丁寧に清掃してください。軽く歯ブラシやタフトブラシなどを使用して磨いてください。
・患者さまの体質によってはアンカースクリューが抜けやすい方もいらっしゃいます。

■ アンカースクリューを抜いたら穴はどうなるか

アンカースクリューを抜くときは、あまりお痛みは出ません。
抜いた部位の穴はすぐに歯肉で塞がります。 穴の開いた骨の部分は3~6か月で新しい骨によって塞がります。

まとめ

アンカースクリューは従来の装置だけでは難しかった固定源の強化や圧下などの歯の動きを可能とし、非抜歯や外科矯正の回避の治療の幅が広がります。また、ヘッドギアやゴムの使用など補助装置を使用しなくてよくなるので、患者さまの負担も少なくなります。適応症例であれば治療期間も短くなり、より質の高い治療ゴールになるのでぜひ検討してみましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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