今回は子どもの食育をテーマにした離乳食の始め方についてお話ししたいと思います。
(歯が生えてからについてはこちらのブログをご参考にしてください
『食育③ 離乳食の与え方 ~歯が生えてから~』)

赤ちゃんは生後5~6ヶ月頃になると、母乳やミルクだけでは栄養が足りなくなってきます。そこで、大人と同じように食事から栄養を摂れるようになるために、練習として必要になってくるのが離乳食です。
離乳食で身に付けたい「舌と口の力」
歯並びと舌突出癖や低位舌などの悪習癖で一番関連が高い不正咬合は、開咬(オープンバイト)です。開咬になってしまう原因は、舌と口の力が弱いために、舌が通常よりも低い位置にある「低位舌」になったり、舌を前歯に押し付けている「舌突出癖」になったりしていることです。
舌癖が起きてしまう原因の一つに、授乳から離乳食に切り替わる際に舌の動き方が変わるのですが、この時期に舌の動きが変わらずに授乳の時と同じ舌の動かし方をし続けてしまうことがあります。そうすると、歯並びに影響が出て、開咬や出っ歯になってしまいます。なので、赤ちゃんの口の動きを促せるよう、食事のやわらかさや与え方に注意して離乳食を進める必要があります。また、正しく噛む力は顎の発育にも影響を与えるので、離乳食の時期は、綺麗な歯並びになるための土台作りとして歯科的にも非常に大切な時期になります。
離乳食はいつからはじめたら良いのか?
生後5~8ヶ月頃で首がすわり、食べ物に興味を示すようになり、舌で押し出そうとする動き(哺乳反射)が少なくなってきた時が開始の目安と言われています。主に以下のサインが出たら始めて良いでしょう。
- 5秒くらいおすわりができる
- 唇にスプーンを当てても嫌がらない
- 唾液の量が以前より増えている
- 大人が食べる様子に興味を示す
- 授乳、生活リズムが一定になっている
食事を与える時のポイント
離乳初期の食事の与え方ですが、舌癖が出ないように舌・口の力をつけるためのポイントがあります。

・スプーンを下唇にのせて
スプーンの先端部に食べ物をすくい、下唇に軽くのせて、上唇で取り込む動きを待ちます。下唇にスプーンを置いたら唇ではさむまで待ってあげることが重要です。流し込みはしないように、一口ずつ「ごっくん」を待ってあげてから次の一口を入れましょう。口をとじないときは下あごをやさしく押してとじるようにします。
・水平にスプーンを優しく引き抜く
離乳食を口の中に入れ口をとじたら、水平にスプーンを引き抜きます。赤ちゃん自ら唇を動かしてあげられるように、スプーンは斜めに引き抜かないようにしましょう。もし、あかちゃんが食べ物を舌で押し出してきても慌てずに、スプーンですくいまた戻しましょう。
・スプーンは赤ちゃんの上唇や上あごに押し付けない
この時期は、口の中に食べ物を取り込み、飲み込める位置まで運ぶ練習をしています。スプーンを上唇や上あごに押し付けるとその練習にならないので気を付けましょう。
・スプーンは口の奥まで入れない
スプーンを口の奥まで入れることは、唇や舌の力をつける機会を失わせ、のどの奥へ食べ物を運ぶ練習の妨げになります。また、のどをついてしまったら危ないので気を付けましょう。
・食事の時に飲み物で流し込まないようにする。
うまく飲み込めないからといって、食べ物が残っているお口の中に、お茶などの飲み物を入れてしまうと、水分で流し込むような飲み方が身についてしまいます。基本的に、食事のときは、お味噌汁やスープ以外の水分は必要ありません。食べ物に含まれる水分と、自分の唾液で上手にごっくんできるようにしましょう。
離乳食は赤ちゃんが大人と同じ食事ができるようになるために大切なものになります。
赤ちゃんの歯が生えるきっかけや、噛む力を育てるためにも大切なステップです。目安となる月齢はありますが、あくまでも目安になります。赤ちゃん・子どもの様子をよく観察して、あせらず、「わが子」のペースで進めてみてください。
当院では、MFTで食べ方のトレーニングも行っています。お子様の食べ方に疑問がありましたら、ぜひ当院でご相談ください。
また、初診時の無料相談時になるべくMFTの必要性があるかどうかを伝えられるようなカウンセリングをおこなっております。
矯正治療をご検討中の方はぜひお気軽に初診無料相談へいらしてください。
最後までご覧になっていただきありがとうございました。