お口ぽかん(口唇閉鎖不全症)を防ごう!|DOCTORʼS BLOG|新浦安カタヤマ矯正歯科|新浦安駅直結|矯正専門医院
2025.01.31

みなさんはお口をぽかんとあけて過ごしていませんか?

コロナ禍でマスク生活になり、口呼吸になる方が増えました。

近年、お口ぽかんと呼ばれている、口唇閉鎖不全症の子どもが増えています。

口唇閉鎖不全症は、乳幼児期に唇を閉じる力が十分ではなく、唇が未発達のまま成長しているため、唇が山型をしていたり、厚かったりするのが特徴です。

お口ポカンをしているとどんな悪影響があるのか?

1「感染症に感染しやすくなる」

鼻で呼吸している場合は、空気中のウイルスやほこりを吸い込んでも、鼻毛や鼻水がフィルターとして機能し、半分以上のウイルスや細菌を防ぐことできています。

しかし、口呼吸の場合は、ウイルスがダイレクトに体内に入ってくるため感染症にかかりやすくなってしまいます。

2「歯並びが悪くなる」

口呼吸をしていると、上あごの成長に悪影響が出てきます。通常、お口を閉じている時は、舌は上あごに押し付けられている状態になっており、この舌の力によって上あごが横に拡げられて成長していきます。しかし、口呼吸を行うと舌の位置が低く、上あごに力がかからないため、上あごの成長は少なくなってしまいます。

3「顔や顎の成長不良」

口呼吸をしていると唇に力が入らないため、お口まわりの筋肉に力が付かなくなります。そのため、顔や口元のたるみ、お顔全体の筋肉にも影響を及ぼし、お顔全体がたれさがってしまいます。また、アデノイド顔貌と呼ばれる独特の顔つきになることもあります。

4「むし歯や歯周病になりやすい」

口呼吸になると唾液が分泌されにくくなり、お口の中が乾燥してしまい、むし歯や歯周病になりやすくなってしまいます。

5「いびきや睡眠障害を起こしやすい」

口呼吸はいびき発生の原因にもなります。また、口呼吸をしていると舌の筋力が弱くなり、舌がのどの方に下がり気道をふさいでしまい、睡眠時無呼吸症候群になることもあります。

関連ブログ: 口呼吸と歯並びについて 、 鼻呼吸と口呼吸どちらが良いの?

口唇閉鎖不全症は、年齢が上がるにつれて自然治癒が難しくなっています。

難しくなっている理由は、唇が開いていると、乳歯よりも長い前歯に生え変わったとき、唇がさらに締まりにくくなってしまうからです。

どうして口唇閉鎖不全症になってしまうのか?

口唇閉鎖不全症を発症する理由は、唇を閉じる力の弱さに加えて、舌の力が弱いことが原因です。舌を上あごに当てると自然と鼻呼吸になりますが、舌の力が弱く、上あごにあてられないと口呼吸になり、お口がぽかんと開いてしまいます。

子どもの舌や口周りの筋肉が弱くなっている理由としては、「全体にやわらかい食事を好む・食べものをよく噛まずに水などで流し込んでしまう」といった偏食により、噛む回数が減っていることが考えられます。 また、口笛を吹く・風車を回す・シャボン玉や風船を膨らます、これら子どもの口遊びが少なくなっていることも、筋力の低下につながっています。

舌の機能はいつ鍛えられるのか?

関連ブログ: 正しい舌の位置・動かし方についてご紹介

歯が生えていない時期(無歯期)に鍛えられます。なぜ無歯期に鍛えられるのかというと、乳児期に舌を使って母乳を飲む時に舌が鍛えられるからです。

舌を正しい位置に上げて飲むことができれば、上あごに舌をつける力も付き、鼻呼吸も身に付きます。さらに舌の筋肉の発達により、口腔内の容積が広くなり、歯がきれいに生えそろうスペースも生まれ、舌の機能を鍛えるメリットは多くあります。

つまり、歯が生えそろっていない乳児期から、唇や舌などのお口まわりの力を鍛えることが大きな対策になります。

乳児期の予防トレーニングはある?

<大きめの乾燥昆布をしゃぶらせる>

人間は生後3か月を過ぎると、目や手、口など、別々の器官をまとめて動かす協調運動が可能になります。生後3~7か月頃に口で乾燥昆布をくわえることで、口唇閉鎖力が上がり、同時に鼻呼吸になる可能性があります。味がすることで自発的に舌を動かして舐め、口腔内に唾が溜まると嚥下(飲み込み)します。離乳食を本格的に始める前から食事に必要な動きが身につき、口腔機能が向上する可能性があります。

乾燥昆布のほかにも、大きな干し芋など、飲み込む恐れのない大きさで味がする固形物であれば、乳児期の予防トレーニングに活用できます。こうして舐めたりしゃぶったりしていると、顔の表情筋が発達します。すると、笑顔の素敵な子に育ちます。それは、その子の一生の財産にもなるはずです。

乳歯が生えたあとのトレーニングはある?

<口遊び>で口唇閉鎖力アップ

昔に比べると幼児期における、紙風船や吹き戻しなどの「口遊び」の減少してしまいました。コロナ化によって、衛生面から口をつけて遊ぶものは減少してきていると思いますが、口遊びは口まわり、お顔の筋肉がすごく使われるため、その口遊びが減少していることも口唇閉鎖不全症の増加に関係していると考えられています。

<唇を使う遊び>

・シャボン玉
・かざぐるま
・吹き戻し
・風船
・口笛
・風船ガム
・ストローを使った魚釣り

<舌を使う遊び>

・なめる(アイスなど)
・前に突き出す
・あっかんべー
・左右・上下に動かす
・頬を内側から押す
・歯を舐める
・舌を鳴らす

<口まわりを使う遊び>

・にらめっこ
・かおじゃんけん
・ぶくぶくうがい

当院ではMFTという舌のトレーニングも行っております。MFTでもお口周りの筋力をつけることができます。
詳しくはこちらをご覧ください。舌のトレーニング(MFT)について

お口ポカン=口唇閉鎖不全症を防ぐためには、赤ちゃんの時から、舌やお口まわりを動かして使っているかどうかなどの習慣が関係していることが分かったと思います。

歯並びだけでなく全身的に悪影響を及ぼすお口ポカンは、ぜひお口遊びなどのトレーニングをして予防してみてください。子どもだけでなく大人もコロナ禍のマスク生活で口を閉める力が不足しがちですので、ぜひご家族で口遊びに取り組んでみましょう。

タグ
おすすめ記事
2021.10.12
2021.09.22
2021.12.04
2021.10.13
2021.10.26