吹奏楽をしながら矯正治療はしていいの?|DOCTORʼS BLOG|新浦安カタヤマ矯正歯科|新浦安駅直結|矯正歯科の専門医院
2025.05.02

吹奏楽はみなさんご存じでしょうか?

吹奏楽とは管楽器という吹き口を吹いて管内の空気を振動させて音を出す楽器を主体として演奏される音楽の総称です。管楽器は口を使って演奏するので、矯正治療をする上で支障等があるのではないかと思う方が多いと思います。

今回は吹奏楽と矯正治療についてお話していきます。

吹奏楽の楽器とは

吹奏楽ではいろんな楽器を使いますが、そのメインは口を使って演奏する管楽器になります。その管楽器は大きく分けると、2種類に分けられます。1つは金管楽器という金属を主に使った楽器でマウスピースを使って唇で調整して音を変化させる楽器になります。2つ目は木管楽器というリードというものを使って音を出す楽器になります。木管楽器の中でもさらに細かく分けると3種類に分けられ、唇で空気のリードを作る「エアリード」、1枚のリードを振動させる「シングルリード」、2枚の重ね合わせたリードを振動させる「ダブルリード」があります。このように楽器によって吹き口が変わってくるので、楽器によって矯正治療に影響が出やすかったり出にくかったりします。

矯正治療に影響が出やすい楽器は?

・トランペット、ホルン、トロンボーンなど(金管楽器)
これらの楽器は、唇を震わせて音を鳴らします。その際、マウスピースに唇を押し当てる必要があります。そのため、ブラケット装置(表側矯正の装置)のデコボコが上唇と下唇の内側に強く当たり、上唇と下唇に痛みが生じて吹きづらくなる可能性があります。

・クラリネット、サックス(木管楽器のシングルリード)
これらの楽器はシングルリードといい、1枚の木の板のようなリードというものを振動させて音を鳴らします。その際、上の前歯は軽く覆うようにし、下唇を下の前歯に巻き込んだ状態にし、下唇で楽器を支えるように吹きます。そのため、ブラケット装置のデコボコが下唇に当たり、痛みが生じる場合があります。

・オーボエやファゴット(木管楽器のダブルリード)
これらの楽器はダブルリードといい、2枚の小さな木の板を二重に重ねたリードというものに息を吹き込んで板を震わせて音を鳴らします。その際、上唇と下唇を巻き込んだ状態でリードをくわえて吹くので、上唇も下唇もブラケット装置のデコボコが当たり、痛みが生じて吹きづらくなる可能性があります。

吹奏楽器ではありませんが、バイオリンやビオラも影響を及ぼすと考えられます。バイオリンやビオラは顎で楽器を挟んで固定し演奏をします。そのため、顎に力がかかり咬み合わせや歯並びが一部ずれ、矯正治療に影響が出る可能性があります。また、顎関節症を発症しやすくなる可能性も考えられます。)

影響が出にくい楽器は?

・フルート
フルートという楽器はリードを使わない楽器なので、痛みは生じにくいと思われます。唇の形を変えづらく演奏しにくいなどの支障はあるかもしれませんが、比較的支障が出にくいと言われています。

・打楽器
口を使用しない楽器のため支障は出ないでしょう。

ブラケット装置(矯正装置)をつけながら演奏する場合の注意点

矯正治療をするときは、ブラケット装置を歯の表側に装着する必要が出てきますが、その際に気を付けるべき注意点が主に4つありますので、説明していきます。

  • ① 音が出しにくい

お口を使う楽器の演奏は、楽器を吹く時の舌の動き・唇の動き・頬の動きなどとても繊細な動きをして音を奏でます。歯並びの矯正の様々な装置は、お口の中につきますので、慣れるまでは音が出しにくくなります。楽器によって慣れるかどうかは変わります。また、矯正のために抜歯をした場合は、抜いたところから空気が漏れてしまい、音が出しにくくなることがあります。

  • ② 痛くて吹けない

矯正装置をつけると歯が動く痛み、矯正装置が当たる痛み、が出てきますので、個人差や楽器によってその痛みの度合いは変わってくると思いますが、場合によっては痛くて吹けないことがあります。

  • ③ 装置が当たって口内炎になる

ワイヤー治療をしている場合は、唇に楽器を押し付けて吹くような楽器を吹くときに唇を強く楽器のマウスピースに押し付けるため、口内炎になりやすくなります。口内炎を防ぐためのワックスをつけていただくことで、痛みを緩和することが出来ます。

  • ④ 装置を外した後も影響が出る

矯正の装置をつけての演奏に慣れていると、今度は装置を外した時に違和感があり、演奏に影響が出ることもあります。また、矯正の装置が外れても保定装置をつけないといけません。装置を外した後もしばらく慣れるまでは、演奏に影響が出ることがあります。

裏側矯正なら痛くないの?

裏側の矯正だと、唇に装置が当たらないので、痛くないのではないかと思う方もいらっしゃると思うのですが、裏側矯正だと舌に装置が当たり痛みが出やすいです。通常時でも舌が当たって痛いのですが、吹奏楽器だとタンギング(音を切る技法)をする際に装置に舌が当たりタンギングが難しくなることや舌に当たり痛み・出血が生じることがあります。

マウスピース矯正なら痛くないの?

マウスピース矯正だとあまりデコボコしていないので唇や舌が当たって痛いという可能性は少ないと考えられます。ただし、マウスピースでの治療は全ての方の不正咬合に適応していないため、マウスピース治療が行えない場合があります。

矯正治療をしながら演奏を行うためには、慣れが必要になってきます。治療を始めると最初は音が出なくなり、3か月ほど練習していると吹けるようになるなど、慣れるまでも時間がかかります。また、楽器の種類だけでなく、楽器の演奏方法や演奏する楽曲などによっても矯正治療で出る影響は異なるようです。これから吹奏楽の大事な演奏会や本番がある場合は、矯正歯科医師に相談してから矯正治療を開始しましょう。

また、矯正治療は月に一回毎月治療することでスムーズに治療が進みます。忙しい吹奏楽部に所属している場合だと、毎月月に一回来院することが難しいこともあると思いますので、その際は必ず来院頻度についても矯正の先生に相談してみましょう。

楽器演奏中に矯正治療をする場合は、まずは担当の歯科医師に楽器演奏をすることや何の楽器を演奏しているのかなどを詳しく伝えるようにしましょう。 当院でも楽器を演奏しながら矯正治療をしている方もいらっしゃいます。吹奏楽をしながら矯正治療をするか考えている方は、なるべく楽器演奏と矯正治療の両立ができるようにご提案させていただきますので、ぜひ一度当院の無料相談にご来院ください。

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