部分矯正のメリットとデメリット|浦安市の矯正歯科専門医院・新浦安カタヤマ矯正歯科
2021.10.26

■ 部分矯正とは、前歯や一部の歯だけ歯並びをよくすることをです。

部分矯正には全体を矯正するのと違い、メリット・デメリットがあります。部分矯正が適応できる方とおススメできない方もいらっしゃいます。
歯並びのご相談にいらっしゃる方の中で、前歯にある隙間や、前歯のでこぼこなど歯並びが気になり、そこだけを部分矯正で治療できないですか?とご質問されるかたが多数いらっしゃいます。近年「部分矯正」や「プチ矯正」という広告をよく目にしますが、そもそも昔から言われている矯正治療とは何が違うのでしょうか。

今回の記事では、部分矯正とは何かを解説しながらメリット・デメリットと合わせて治療法についても説明していきます。

■ 部分矯正とは?

部分矯正とは、文字通り部分的に装置をつけて、数本の歯のみに限局して治療を行うことでMTMとも呼ばれます。特に多いのが前歯の軽度の出っ歯やデコボコの歯並びを治したり、補綴治療(被せ物やインプラント治療)の前処置を行ったりと、数歯のみ目的に合わせて歯を動かします。また近年では結婚式前や就職前に部分矯正をご希望される方のご相談が増えています。装置は、ワイヤー矯正の表側矯正や裏側矯正、マウスピース矯正など一般的な矯正治療で用いる装置と同じです。

■ 部分矯正の対象となる歯並びとは

  • 奥歯の噛み合わせには問題がなく、出っ歯でかつ隙間がある歯並び
  • 前歯の1~2本の反対咬合
  • 前歯や横の歯の少量の凸凹
  • インプラントや補綴物の為に周りの歯を微調整が必要な歯並び
  • 矯正治療後の後戻り症例

■ 部分矯正の対象外である歯並びとは

  • 凸凹の量が多い
  • 出っ歯やうけ口で歯の移動量が多い
  • 奥歯の噛み合わせがよくない
  • 下顎がズレて噛んでいる場合
  • 開咬
  • かみ合わせが深い
  • 骨格的に問題がある
  • その他

■ 部分矯正の治療方法

表側矯正
歯の表面にブラケットという装置とワイヤーを装着して歯を動かしていく、昔ながらの治療法です。ブラケットは金属やプラスティック、セラミックなどの種類があり、装置によっては目立ちにくくなっています。また、近年ではワイヤーもホワイトワイヤーなどが開発されており、目立ちにくくなっています。

裏側の矯正治療
歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かします。裏側に装置が装着されるので、他の人には気づかれることは少ないです。
しかし、裏側矯正は高い技術が必要となり、また費用が表側矯正よりは高くなります。

マウスピース型の矯正治療
取り外しできる透明のマウスピースによって歯を動かす方法です。透明な装置であるため、審美的には一番目立ちにくいです。また、取り外しできるため、歯磨きやお食事がしやすいメリットがあります。マウスピース型の矯正治療は約一週間ごとに少しずつ動かしたマウスピースを新しくお口につけていくので衛生的でもあります。
しかし、マウスピース型の矯正治療は適応できる方が限られるので、矯正担当医に適応かどうかご相談してください。

■ 部分矯正のメリット

  • 料金が全体矯正に比べて安い
  • 矯正治療が短くてすむ
  • 部分的に装置をつけるだけですむ

当院での部分矯正をする場合、範囲にもよりますが、\200,000(+消費税)とういう料金設定にしております。全体矯正のメタルワイヤー場合は装置料が\800,000(+消費税)なので、単純に一部だけの部分矯正であれば、費用が1/4程度に抑えることができます。

また、治療期間も全体矯正に比べると期間が短い場合が多いです。一般的な全体矯正の場合は平均2~3年ほどでありますが、部分矯正の場合は半年から1年程度の短期間で治療が終わる方もいらっしゃいます。

このように部分矯正のメリットは「料金」「期間」です。

■ 部分矯正のデメリット

  • デコボコの歯をなおすために歯を削る場合がある
  • かみ合わせが悪くなる可能性がある
  • 滑舌が悪くなる可能性がある

部分矯正は見た目だけの矯正治療になります。そのため、かみ合わせをよくすることができません。また、部分的に歯を動かすために、かみ合わせが変わってしまい、かえって悪化する可能性もあります。
その理由としては、動かす部分が限局するために、動かせる自由度が低いことが挙げられます。全体矯正であればデコボコが大きい場合に小臼歯を抜歯し、そのスペースを利用して治したり、狭い歯列を横方向に広げて歯列を拡大させながら、でこぼこをほどいていくのに対し、部分矯正では抜歯をすることは基本的にはないので、でこぼこを改善するには前歯部を削って並べることになります。そのため前歯を多く削らなければならなかったり、治療前より前歯のふくらみがより大きくなり前に出てしまったりと限界があるため、かみ合わせを妥協しなければならないこともあります。そのため、奥歯の位置を変える必要がない軽度の凸凹などといった症例に限られます。

■ 部分矯正はリスクが大きい

矯正治療は本来何が目的かというと歯並びを綺麗にすることが一番の目的ではありません。
矯正治療の一番の目的は正しい噛み合わせを作ることで、患者さんの歯を生涯にわたって1歯でも多く残りやすくすることが本来の目的です。
噛み合わせの良し悪しは、上下前後左右すべての歯の位置が影響するものです。 インビザラインなどに代表されるマウスピース矯正でもワイヤー矯正であっても部分矯正のリスクは変わりません。部分矯正が絶対にダメというわけではありませんが、部分矯正をするならしっかり噛み合わせのことまで考え、デメリットをご理解したうえで部分矯正を選択するようにしましょう。

■ 部分矯正と一般的な矯正治療の違い

ワイヤー矯正を行う場合は、歯にブラケットという装置をつけて、そのブラケットにワイヤーを通して歯を動かしていきます。一般的な矯正治療は、デコボコや出っ歯などの改善の為にすべての歯にブラケットを装着して治療を行います。そのため、全ての歯を3次元的に動かすことができ、緊密なかみ合わせを得ることができますが、費用が高く治療期間も2~3年と長くなります。
一方、部分矯正は1~4歯と限られた部分の歯のみを動かすことが目的であるため、全ての歯にはブラケットを装着しません。治療対象の歯が少ないため、治療期間が短く費用も抑えられます。しかし、少しでもかみ合わせがズレると微調整を行うことが困難になり、部分矯正を行う前よりも噛みづらくなるリスクもあります。

タグ
おすすめ記事
2021.10.12
2021.09.22
2021.12.04
2021.10.13
2021.10.26