矯正治療中は、歯に装置やワイヤーが装着されているため、通常よりもケアが大切になります。口腔ケアを怠ると、歯並びが整っても虫歯になってしまいます。特に歯と歯の間の汚れは歯ブラシでは完全に除去が困難です。そのため、矯正治療中もフロスを使用することをおススメします。ワイヤーの下にフロスを通す方法や、矯正治療中でも使いやすいフロスグッツをご紹介します。
フロスとは?
デンタルフロスや糸ようじと呼ばれるもので、ただの糸に見えますが細い繊維をいくつも束ねたものです。歯ブラシだけでは落ちない歯と歯の間の歯垢もかきだして落としてくれます。
フロスを使う目的は?
歯ブラシだけでは落とせない歯垢を落としてくれることだけでなく、虫歯や歯周病予防や早期発見になります。また、フロスを使用した時に引っかかって上手くフロスが抜けなくなったり糸が切れたりすることがありますが、抜き取ったフロスの糸に何らかの異変がある場所は、歯周病や虫歯になっていたり詰め物が取れそうになっていたりしている可能性が高いところです。まだ自覚症状がない状態でも、フロスを使うことによってトラブルを早期に発見できます。
特に矯正治療中は歯みがきが難しくなるので通常よりも歯と歯の間に歯垢がたまりやすく、虫歯と歯周病になるリスクが増えます。なので、矯正治療中のフロスの使用はとても大事になってきます。
フロスを使う効果は?
フロスを使うと歯垢除去効果は歯ブラシだけを使う時の約1.5倍あると言われています。
歯ブラシだけで磨いた時の歯垢除去率が58%に対し、歯垢除去率は86%という結果が発表されています。
※出典:山本他日本歯周病誌1975
フロスはいつ使うといいの?
夜寝る前に一日一回は使用しましょう。タイミングは歯ブラシで歯みがきした後が良いと言われています。そうすると歯磨き粉の成分が歯と歯の間にも届くようになります。歯みがき後は口をゆすがずそのままフロスをすると良いでしょう。
どんな種類があるの
・デンタルフロスホルダータイプ(ウルトラフロス)
・デンタルフロスロールタイプ(e-floss)
・スーパーフロス(フロアフロス セイビング)
・矯正用フロス(プラティパスカモノハシ型矯正用フロッサー)
矯正に適しているフロスはどれ?
当院でおすすめしているものは矯正用フロスとスーパーフロスです。
基本的には矯正用フロスを使用していただいて、矯正用フロスが使いにくいところはスーパーフロスを使用していただくことをおすすめしております。
矯正用フロスとデンタルフロスホルダータイプの違いは?
デンタルフロスのホルダータイプは柄の部分が大きいため矯正治療中のブラケット装置を付けているときはフロスを通すことが出来ません。しかし、矯正用フロスは柄の部分が片方だけ細くなっているのでワイヤーの装置が付いていても歯と歯の間に通すことが出来ます。
矯正用フロスの使い方は?
フロスの柄の細い部分をワイヤーの方に向けてのこぎりのように動かして歯と歯の間に通します。糸を歯の面にこすりつけるようにしてプラークを取り除きます。
糸の部分についた汚れを水洗いして繰り返し使用できます。糸が切れたら新しいものと交換しましょう。
スーパーフロスと普通のフロスの違いは?
スーパーフロスは普通のフロスよりもより繊維が多くふわふわのスポンジ状になっているので普通のフロスよりも歯と歯の間の歯垢をよりしっかり絡め取ってくれます。
また、スーパーフロスの利点は普通のフロスよりもコシがあり扱いやすく、ワイヤー矯正をしているときにワイヤーの下にフロスをくぐらせて通す作業がしやすいことがあります。
スーパーフロスの使い方は?
青い部分のところでフロスをカットします。
青い部分をワイヤーのしたにくぐらせて通していきます。
のこぎりのように白い部分のフロスを前後に動かして歯と歯の間に通します。
歯ぐきの中の歯垢もとるためにフロスを歯に沿わせながら歯肉の中にフロスを入れていきます。歯ぐきの中にフロスが入ったら歯をこすりつけるようにして歯ぐきの中の歯垢をかきだします。
※この時歯ぐきは押し付けないようにしましょう!歯ぐきに力をかけてしまうと歯ぐきが下がってしまいますので注意してください。
スーパーフロスは繰り返し使用が出来ないので、一度使ったら処分しましょう。
今回はフロスについて紹介させていただきました。矯正治療中は歯磨きが難しくなるうえにフロスも使用しにくくなりケアが大変だと思いますが、きれいな歯並びになったあとも健康な歯と歯ぐきでいるために口腔ケアをしっかりやっていきましょう。
デンタルフロスの使用方法などで分からないことがあったら、いつでもお気軽にご相談ください。