矯正治療の骨の代謝、発達について|DOCTORʼS BLOG|新浦安カタヤマ矯正歯科|新浦安駅直結|矯正歯科の専門医院
2023.08.21

我々人間の骨は、皮膚と同じように常に新陳代謝を繰り返しています。新陳代謝とは、古いものが次第に無くなって新しいものに入れ代わることを言います。つまり、古くなった骨は、破骨細胞と呼ばれる骨を溶かす細胞によって体内に吸収されていき、骨芽細胞と呼ばれる細胞により新しい骨が作られるのです。これを骨のリモデリングと呼びます。

矯正治療とは、この骨のリモデリングを活用して歯を動かしています。

破骨細胞と骨芽細胞の働きがとても重要になっています。


この破骨細胞と骨芽細胞がどのように働いているのかをご説明します。

歯を動かそうと思った時、歯を支えている骨には押される側(圧迫側)と引っ張られる側(牽引側)が存在します。歯に矯正力が加わると押される側の骨を破骨細胞が壊して、その反対側の引っ張られる側にできた隙間に骨芽細胞が出現し、新しい骨が作られます。こうした骨の形成によって歯は移動していきます。

歯を動かすにも最適な力があります。

その力を至適矯正力と言います。至適矯正力とはできるだけ短い期間で移動したい位置に歯を移動するためにかける適切な力のことです。早く動かしたいからと過度な力をかけてしまうと、むしろ歯が動くスピードは遅くなってしまいます。だからといって弱い力をかけていれば歯は動かなくなります。それぞれの歯の移動に最適な矯正力は歯の根っこの表面積の大きさによって異なります。下記のグラフは上と下の1番目の歯から6番目の歯の表面積を表したものです。歯の根っこは歯によって大きく異なります。つまり、歯を動かすには歯それぞれ異なった最適な矯正力があり、力を強くかければかけるほど歯が早く移動するわけではないのです。

顎の成長について

人の体は各器官で成長する時期が異なっており、成長パターンが4つに分けられます。

リンパ系型、神経系型、一般型、生殖型に分かれます。 上顎は神経型の成長と似た形をとって5歳から10歳くらいでほぼ完成します。下顎は一般型、つまり身長が大きく伸びる時に大きくなる手足の骨と同じ種類の骨で、顔面の骨の中で最も大きな骨です。下顎は、上顎に比べて遅く成長期を迎えてより遅くまで成長が見込まれます。小学校高学年から中学校には下顎の成長が始まり、思春期が終わるくらいまで成長すると言われており、20歳ぐらいまで成長が続くこともあります。つまりは同じあごでも上顎と下顎で成長の時期が大きく異なり、上顎を広げる治療は10歳までにしないといけないのです。また、下顎が突出している方は、下顎の成長が終わった後に治療をしないと歯が並んだ後に顎の成長とともに歯並びが変わってしまうことがあります。治療のタイミングは人それぞれ違いますが、お子様の治療を始める際には、早めのご相談をおすすめしております。

噛むことと顎の成長について

よく噛むことによって顎は成長します。噛むことで顎の周りの筋肉が刺激を受けて顎の骨も成長します。また、顎が十分に発達すれば、歯がきれいに並ぶスペースも確保されます。しかし、顎が小さければ歯が並びきらずに歯並びに悪影響を及ぼします。綺麗な歯並びになるためにはよく噛んで顎を十分に発達させなければなりません。

現代の食事は加工食品が多く、やわらかい触感がおいしい評価として成り立っています。

このような食事が中心では必然的に噛む回数や噛む力が減少します。噛む筋肉もからだの筋肉と同じで鍛えなければ衰えてしまいます。毎日の食事やおやつは、噛む筋肉のトレーニングみたいなものになります。なので、やわらかいものではなく、上記のようなかみごたえのある食べ物を食べるようにしてみたり、あるいは線維性の豊富な食材を使用してかみごたえを残した調理方法で作ってみたりしていくと良いでしょう。

例)具の小さいカレーライス→具が大きいカレーライス

  パンの耳なしサンドイッチ→パンの耳付きサンドイッチ

  火を十分に通し柔らかくなった食材→火を通し過ぎず歯ごたえが残る食材

これらの工夫により歯ごたえが加わるため自然に嚙む回数が増えます。

ただ、すでにあまりかめないお子さんの場合は、突然かみごたえのある食事に変えても噛まずにそのまま飲み込んでしまう癖がついたり、口から出してしまいます。なので、離乳食から固形食に移り変わるように徐々に噛む回数の多い食事を取り入れるなどして、時間をかけていく心構えが必要になってきます。

当院では相談は無料ですので、まずは早めのご相談をお待ちしております。

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