矯正治療中の歯磨きは、矯正装置がついているので、いつも以上に入念にケアを
しないといけません。
ケアを怠ることで、虫歯になるリスクも高まっていきます。
そこで、本記事では、矯正治療中での歯磨きの仕方(注意点)なども含めて
使うといいおすすめの歯ブラシなども紹介しながら、説明していきます。
■ 矯正治療中の歯磨きの仕方について
当院でも主に使われている矯正の装置は、歯の表面に『ブラケット』と呼ばれる小さい装置を一本に対して一つ貼り付けて、そのブラケットにワイヤーを通して歯を並べていく皆さんが想像しやすい装置です。
どうしても、歯の表面にこのような装置がついているといつもより歯ブラシがしづらくなります。
そのため、歯を磨くときに気を付けて頂きたいポイントがあります。
① 歯ブラシの持ち方
② 歯ブラシを動かす幅
③ 装置やワイヤーの上下と横の部分をきちんと歯ブラシを当てる
① 歯ブラシの持ち方
歯ブラシの基本的な持ち方は鉛筆をもつように持ちます。コツとしては軽くにぎってもらい、軽い力で行うことです。大体150~200グラムくらいの力で、歯ブラシの毛先が広がらない程度の力で歯磨きを行いましょう。
② 歯ブラシを動かす幅
1~2センチぐらいの幅を目安に小刻みに歯ブラシを動かし、1~2歯ずつ歯磨きするようにしましょう。大きく動かして歯磨きを行うと、歯ブラシが歯面に当たらない部位がでてきてしまい、きちんと汚れが取れませんので気をつけましょう。
③ 装置やワイヤーの上下と横の部分をきちんと歯ブラシを当てる
■ 矯正治療中は特にしっかりと歯面に歯ブラシの毛先を当てること
歯ブラシの毛先が歯面に当たって初めて汚れが落ちます。いくら長時間お口の中に歯ブラシを入れていても、毛先が当たっていないと正直あまり意味ありません。効率よくしっかり毛先を当てるように心がけましょう。
■ 矯正装置のブラケット周りに汚れを残さないこと
ブラケット周りに汚れが残っていると、その汚れが残っているところだけ、虫歯が進行していきます。
虫歯はまず初めに、歯の表面が白っぽくなり(脱灰といいます)そこからどんどん穴が開いたりと進行していきます。
矯正治療が終わってブラケットを外すとブラケットの形に白っぽく脱灰してしまっていたりします。
せっかく矯正治療したのに、歯並びはきれいになったけれどもなんだか目立つ、、、
ということになります。
■ お口の状態にあった歯ブラシ、補助用品を使うこと
お洋服や眼鏡のように、その方にあったサイズや硬さ、使いやすい道具があります。
サイズの合わない歯ブラシで磨いていると、奥歯に毛先が届いていない方もいらっしゃいます。
矯正装置が着いていると、なおさら道具選びが大事になってきます。
矯正治療中の歯ブラシ選びはぜひ、歯科衛生士にご相談ください。
■ 矯正治療中の歯磨きの仕方 当てる角度を、いろいろ変えてみる
普段からお使いの歯ブラシで、矯正治療の器具が着く前は歯面に対して斜め45度 または 直角に歯ブラシを当てていませんでしたか?
このままでは、ブラケットに当たって歯面には毛先が届いていません。
そのため、様々な角度から歯ブラシを当ててみましょう。
ブラケットに対して歯ブラシを横にもって 上から 下から 小さく横磨き
歯ブラシを縦に持ち替えて 右から 左から 小さく縦磨きしてみましょう。
最初はなかなか難しいと思いますので、鏡をみながら
ちゃんとブラケットをよけて歯面にあたってるかな?と 確認しながら磨いてみましょう。
■ 矯正治療中の歯磨き その1 先の小さくなっているワンタフトブラシを使用する
歯ブラシではそんなに器用に磨けない・・・ 歯を抜いて矯正治療中で、抜けたところの隙間はどうしたらいいの?歯並びが悪くてどうしても普通の歯ブラシでは無理!
そんな方には『 ワンタフトブラシ 』をオススメします。
このブラシは部分磨き用で、先端は円錐形になっており、ブラケットのついている矯正治療中や、歯並びが重なっている方にぴったりのブラシになっています。使い方は簡単です。
歯磨きをした後に、このワンタフトでブラケットの周りを磨いてあげます。
鏡をみながら、しっかりワンタフトの先端がブラケット周りの歯面に当たっているかを確認したら小さく小刻みに動かしましょう。
■ 矯正治療中の歯磨き その2 矯正用の歯ブラシをつかう
一見普通の歯ブラシと同じですが、
こちらは中央の列が一段低くなっています。この形は、ブラシを当てた時にブラケットをうまく避けて、歯面に毛先が当たるようにするためのものです。
いつも通り、歯面に直角に当たるように歯磨きをしてみてください。
(出来たら、当てる角度をいろいろ調整してみてくださいね。)
■ 矯正治療中の歯磨き その3 幅が狭くなっている二列ブラシ
ブラケット、ワイヤーをつけてから歯と歯茎の境目が磨きにくい…。
歯ぐきが腫れてきた、歯みがきで出血があり、痛みもある…。
などの症状がある方は、歯と歯茎の境目が磨けていないことによる歯肉炎になっている可能性があります。
そんな方には『二列ブラシ』をおススメします。
このブラシは通常の歯ブラシに比べて列が少なく、横幅が狭くなっているブラシです。
そのため、矯正装置がついていても歯と歯茎の境目に当てやすくなっています。
■ 矯正治療中の歯磨き その4 クラプロックス
〈ブラシ部分が二色になっている歯ブラシについて〉
こちらは中央の列が一段低くなっています。この形は、ブラシを当てた時にブラケットをうまく避けて、歯面に毛先が当たるようにするためのものです。
写真のようにいつも通り歯面に直角に当たるように歯磨きをしてみてください。
(出来たら、当てる角度をいろいろ調整してみてくださいね。)
〈ブラシ部分が単色のものについて〉
また、こちらのブラシの形は普通のブラシと一緒ですが
1本がかなり細い毛で高密度で植毛されているので、とっても柔らかいのに汚れがしっかりと落とせます。
矯正器具のついている期間は、普段お使いの歯ブラシだと毛のコシが強すぎてなかなかブラケットの周りや、歯と歯茎の境目を磨きにくいのですが、この歯ブラシは毛が柔らかいので矯正器具の隙間にも歯ブラシの毛先が届き、しっかりと汚れを吸着してくれます。
実際この歯ブラシを使っている患者さんは矯正器具がついていても、
ブラケット周りをきれいに保っていらっしゃる方が多いイメージです。
どちらの歯ブラシもスイス生まれのクラプロックスという歯ブラシです。
■ マウスピース型の矯正治療中の歯磨き
マウスピース型の矯正治療中の方は通常の歯磨きの仕方で変わりはありませんが、口腔内をきれいに保つことは重要になります。通常唾液の自浄作用により口腔内はきれいに保たれていますが、長時間マウスピース型の装置を装着することで、唾液の作用が届かなくなります。そのため、細菌が繁殖しやすい環境になりますので、虫歯や口臭の予防のために歯磨きは丁寧に行いましょう。また、マウスピースもきれいに保つ必要があります。マウスピースを歯ブラシできれいにしたり補助用品などを用いてメンテナンスを行うようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。