矯正治療中の着色|DOCTORʼS BLOG|新浦安カタヤマ矯正歯科|新浦安駅直結|矯正歯科の専門医院
2023.04.05

ワイヤー矯正治療中にカレーやコーヒー、紅茶、赤ワインなど色の濃い食品を摂取すると、ワイヤーを留めるゴム製品が変色します。審美的に気になるかもしれませんが、機能的には全く問題がありません。

今回の記事では一般的な着色と、矯正治療中での着色についてお話させていただきます。

歯の着色とは?

コップにコーヒーやお茶を注いで飲むと、コップに色がついてしまいます。
それらはスポンジでこすっても、なかなか取れません。

歯にも似たようなことが起こっています。
歯の着色には外側からつくものと、内側からつくものがあります。外的な着色汚れのことを「ステイン」といいます。

日に日に歯に茶しぶや、タバコのヤニなどのステインが付着し、白さが少しずつ失われます。

歯の表面は、「ペリクル」という膜で覆われています。これは、唾液の中のたんぱく質でできており、どなたのお口の中にも存在します。虫歯の原因である「酸」から歯を守る良い働きをする反面、プラークの付着や着色促す足場にもなっているのです。

内面的な着色とは、年齢を重ねる度に歯そのものが黄色くなります。

外的着色

食べ物による着色の主な成分は「ポリフェノール」です。
ポリフェノールは、血液や唾液と結合する性質があり、着色を促進すると言われています。

ポリフェノールはいくつかに分類されますので、主に含まれている食品とともにご紹介します。

  • ・クロロゲン(コーヒー)
  • ・カテキン(緑茶)
  • ・クルクミン(カレー)
  • ・エピカテキン(チョコレート)

これらの成分が含まれている食品を習慣的に摂られる方は、外的着色が多いと考えられます。

他にも着色しやすい食品の代表例は、
・ケチャップ
・赤ワイン   が挙げられます。

歯の表面に着色することはもちろん、加齢にともに歯の表面のエナメル質に細かな亀裂が入るようになると言われており、そこからステインが侵入して、着色することがあります。
この着色は、外から亀裂の中へ入り込みますので、除去するのがなかなか難しくなります。

食べ物以外の外的着色の原因となるものは、タバコに含まれる「タール」や歯石です。
歯石は表面にざらつきがありますので、着色汚れを発生させやすくします。歯石は歯ブラシでは除去できませんので、歯科医院で除去する必要があります。

内的着色

内的着色は、黄色っぽく見えることが主ですが、この色は歯の内部にある「象牙質」が透けて見えている色です。

加齢にともない、徐々にエナメル質が摩耗すると、中の象牙質が透けてみえるようになると言われています。また、象牙質自体の色も、加齢とともに色が濃くなり、より歯が黄色くみえる原因になります。
虫歯の治療後に装着した銀歯もまた、着色の原因になることがあります。

銀歯には「金銀パラジウム合金」という金属が使われており、装着から何年も経過すると、イオン化して溶け出し、銀歯のまわりを着色させることがあります。

歯の神経(歯髄)まで虫歯が進んでしまった時に、神経を抜く治療(根管治療)をしますが、神経のない歯(無髄歯)は、栄養分の供給が止まってしまいます。すると徐々にくすんで透明感のない歯に変化していきますので、「歯の色が変わってしまった」と感じるでしょう。

内的着色はホワイトニングを行うことで歯を白くすることができます。

歯並びと着色

着色のし易さは、個人差があります。他には歯の状態、使用する清掃用品などで程度が変わります。
例えば、叢生(歯並びがガタガタしている)があると、歯ブラシの毛先が歯面に当てづらく、清掃不良を起こしやすい分、着色もしやすいと言えるでしょう。

口呼吸も、一見関係がないようにも思えますが、口呼吸をしていると鼻呼吸の時よりお口の中が乾燥しやすい状態になり、唾液の自浄作用(汚れを洗い流すはたらき)を妨げてしまい、着色の原因となるのです。

歯磨き粉(歯磨剤)に配合される研磨剤は、着色しにくくする役割があります。しかし、一度に大量に使用したり、ブラッシング圧が強すぎたりすると、歯の表面が粗造になり、歯を傷つけてしまうことにもつながりますので、注意が必要です。

矯正治療中はブラケットやワイヤーなどの矯正装置によって、歯の面がでこぼこした状態です。ですから、より歯ブラシの毛先が細かい部位に届きにくく、ブラケットのまわりは特に着色しやすくなります。ワンタフトブラシなどの補助用具も使用して、より丁寧なブラッシングが必要となります。

当院では、「エアフローマスター(EMS社製)」という器械を導入しております。水と専用の粉を歯面に噴射することでステインを除去する器械です。矯正装置がついていない方にも使用可能ですので、着色でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。

カレーはだめ?矯正治療特有の着色

「矯正治療中にカレーを食べてはいけない」ということを耳にしたことがありますか?

決して食べてはいけない、ということではありません。これは、ワイヤーを留める「Oリング」や歯を動かすための「パワーチェーン」などが、カレーを食べることで着色するからです。
これらはゴム製で、ゴムは水分を吸収する性質があります。色の濃い食品によってゴムが変色してしまうのです。

歯に接着しているブラケットについては透明のものでも着色しにくいので、ワイヤーの調整をする際にゴムを外して新しいものに取り換えれば、またきれいな状態になります。
カレーの他に、コーヒーや紅茶、赤ワイン、ミートソース、キムチなどが挙げられます。

これらの食品を避けて生活していても、ゴムをつけてから1ヶ月ほど経過すると多少の着色はみられます。なお、ゴムの着色は審美的影響がありますが、歯を動かす機能面に影響はありません。ゴムの色はクリアがメインなので、着色が目立ちやすいですが、「Oリング」に関しましては、当院では数色ですがカラー(オレンジやグレーなど)もご用意しております。カラーのゴムだと着色が目立ちにくくなります。

当院で治療中の患者様で「大切な場に出る前、ゴムの着色が目立って気になる」「カラーのゴムに興味がある」など、いらっしゃいましたらご相談ください。

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